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最終更新:2011年07月27日

エコノミストマネー:「ポストBRICs」 韓国株に注目せよ

マーケット最前線 ワールドコンパス(エコノミストマネー2010年4月号より)


最近、韓国経済と株式市場に注目している。なぜ韓国か。まずは、相場の達人である米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が韓国株に惚れ込んでいることが挙げられよう。

2002年、バフェット氏が中国石油(ペトロチャイナ、0857)の発行済み株式の9%を購入したとの話を聞いた際、筆者はすぐに同株を購入した。その株価はその後2年で2倍になった。筆者はこの間に中国経済を研究し、「中国株はいける」と考えて04年4月、単行本『中国株で資産5倍』(ビジネス社)を刊行した。

同著では、ペトロチャイナ、中国最大手の生命保険会社の中国人寿保険(チャイナ・ライフ・インシュアランス、2628)など7銘柄を推奨。これらの株価は04年4月から丸4年目に当たる08年4月にちょうど5倍になった。この当時、筆者はあるファンの方からこれらの株の今後の対処法を質問され、「全株利食いの売却もよいが、半分以上売り切って手持ち株コストをゼロにしておけば、何があっても柔軟に対応できる」と答えた。この方は筆者のアドバイスに従って、その後の株価暴落による損失を回避できた。


◇進化する韓国ビジネス
バフェット氏が韓国株を買い始めたのは04年。バフェット氏は昨年暮れに、鉄鋼大手ポスコ(5412)をはじめとする20銘柄をさらに買い増す予定だと発表。この韓国ポートフォリオは年間20%以上ものリターンを上げている。

韓国についてバフェット氏は「韓国のように、企業に関する疑問点をインターネットですぐに確認できる国は、世界のどこにもない。企業情報の取りやすさでは米国より優れている」と語っている。PER(株価収益率)の低さは「知る人ぞ知る」だ。

筆者自身、韓国株を日本株の先行指標として長年、重宝してきた。市場規模が日本より小さいため外国人買いのインパクトが大きく、韓国の株価が上昇して1、2カ月すると、日本株が上がる。

最近の韓国ビジネスは、電機製品や自動車の対米輸出に加えて対中国でも盛んで、ビジネス規模は拡大している。また、金融危機後の企業収益の回復は、世界で一番早い。

「韓国は通貨ウォンが安いから国際競争力が強い」「韓国製品は日本の模造品」との声も聞こえてくるが、スフィンクス・インベストメント・リサーチの藻谷俊介代表は、こう反論している。

「韓国最大手の現代自動車(005380)の技術は三菱自動車のライセンス、斜めからも見やすいIPS方式のLG電子(066570)製の液晶パネルは、日立製作所のコピーと考えられている。しかしそれは、10年前の話だ。ひとたび技術が移転すれば、そこから独自の改良が加わり、次世代に向かうころには別の経路で発展が始まる。日本の技術もそうやって進化した」

筆者も藻谷さんの意見に賛成だ。欧米の技術でスタートした日本の自動車業界も、対米輸出は1970年代まで大したことはなかった。当時は、ライセンス生産された仏ルノーや英オースチンの中古車が日本でも結構走っていたものだ。

韓国ウォンについても、名目上のレートはウォン安・円高だが、生産者物価指数で修正すると、一定のレンジ内の波型に収まっている。近年の日韓のインフレ率の差は、消費者物価指数でも生産者物価指数でも年4~5%ある。最近5年間で2割のウォン安・円高。原材料も部品調達もコスト高。賃金上昇率も日本より大きい。

しかし、藻谷さんは「休むことなく国際的な地位を高めてきた韓国を侮ることはできない」と結論付けている。私も賛成。中進国の痕跡もあるが、成長株として韓国株を見直したい。

BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)に次ぐ存在として、そう遠くない将来に韓国株についての本を書きたいと思う。


■今井 澂(いまい きよし) 国際エコノミスト




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