エコノミストマネー:金融引き締め局面の中国 10年は04年の状況と酷似
マーケット最前線 新興国株(エコノミストマネー2010年3月号より)
前号で指摘した中国の金融引き締めが予想よりも急ピッチで進み、中国株は大きく調整している。香港H株指数はすでに長期支持線である200日移動平均線まで下落しているが、中国ネット企業の筆頭格であるテンセント(0700)などの代表的な成長株は依然として200日線のはるか上にあり、さらに調整局面の続く可能性があることを示唆している。今回の調整は、金融相場後の金融引き締め局面で起こる、景気サイクルに基づく必然的な調整である。
今の状況は2004年の状況に非常によく似ている。01年にITバブルが弾けて不景気に陥ったあと、03年には世界中が超低金利状態となった。しかし、米不動産市場や中国をはじめとする新興国が牽引して世界的に景気回復が起こり、米国では04年6月末、中国では04年10月末に1回目の利上げがなされている。
株価はどのように動いたか。03年は低金利が引き起こした過剰資金が株式市場に流れ込み、香港H株指数は1年で2・5倍、ダウ工業株30種平均は25%上昇した。
09年はこの03年の状況と全く同じだった。世界的な超低金利のなかで香港H株指数は金融危機後の08年10月27日の安値4792ポイントから09年11月18日の高値1万3863ポイントまで約2・8倍に。ダウ平均も09年年間で19%上昇した。
◇10年は絶好の仕込み時に
金融引き締め局面に移行した04年の株価動向をみてみよう。香港H株指数は年初の5440ポイント(04年1月4日)から3501ポイント(同5月17日)まで約36%下落。ダウ平均はピーク時の1万753ドル(同2月19日)から9708ドル(同10月25日)まで10%近く下落している。しかし、その後、07年のバブルに向かって中国株も米国株も大幅に上昇したのは記憶に新しいところだ。
04年と同じく金融引き締め局面にあたる10年は、中国株も調整の年となる可能性が高い。ちなみに、04年の下落時、香港H株指数は200日線から15%下方乖離したラインが下値支持線となった。今回は、そこまで調整するか分からないが、200日線から15%下方乖離ラインまでが買い時である可能性は高いだろう。
また、期間的なことを言えば、04年の場合、中国株はピークから4カ月で、米国株は8カ月で調整を完了している。今回は、直近の高値が09年11月であることを考えると、10年の7月ぐらいまでは調整局面が続く可能性もある。
中国の利上げは年央ぐらいと思われ、それを乗り越えて企業業績が注目されるのは年末ぐらいからであろう。旧正月(10年は2月14日が旧正月の元日)明けの短期反発はあるかもしれないが、本格的な上昇局面は、年末までお預けとなるかもしれない。
先進国は前回のようにはいかないだろうが、景気のよい中国では05から07年の上昇相場が今後、再現される可能性が高い。実際のところ、09年12月の小売売上高、固定資本投資は過去最高を更新し、輸出も急激に回復。08年のピークを超える勢いで、ファンダメンタルズ(基礎的条件)は絶好調だ。
10年は、来るべき業績相場へ向けての絶好の仕込み時となるだろう。
■戸松 信博(とまつ のぶひろ)グローバルリンクアドバイザーズ社長
前号で指摘した中国の金融引き締めが予想よりも急ピッチで進み、中国株は大きく調整している。香港H株指数はすでに長期支持線である200日移動平均線まで下落しているが、中国ネット企業の筆頭格であるテンセント(0700)などの代表的な成長株は依然として200日線のはるか上にあり、さらに調整局面の続く可能性があることを示唆している。今回の調整は、金融相場後の金融引き締め局面で起こる、景気サイクルに基づく必然的な調整である。
今の状況は2004年の状況に非常によく似ている。01年にITバブルが弾けて不景気に陥ったあと、03年には世界中が超低金利状態となった。しかし、米不動産市場や中国をはじめとする新興国が牽引して世界的に景気回復が起こり、米国では04年6月末、中国では04年10月末に1回目の利上げがなされている。
株価はどのように動いたか。03年は低金利が引き起こした過剰資金が株式市場に流れ込み、香港H株指数は1年で2・5倍、ダウ工業株30種平均は25%上昇した。
09年はこの03年の状況と全く同じだった。世界的な超低金利のなかで香港H株指数は金融危機後の08年10月27日の安値4792ポイントから09年11月18日の高値1万3863ポイントまで約2・8倍に。ダウ平均も09年年間で19%上昇した。
◇10年は絶好の仕込み時に
金融引き締め局面に移行した04年の株価動向をみてみよう。香港H株指数は年初の5440ポイント(04年1月4日)から3501ポイント(同5月17日)まで約36%下落。ダウ平均はピーク時の1万753ドル(同2月19日)から9708ドル(同10月25日)まで10%近く下落している。しかし、その後、07年のバブルに向かって中国株も米国株も大幅に上昇したのは記憶に新しいところだ。
04年と同じく金融引き締め局面にあたる10年は、中国株も調整の年となる可能性が高い。ちなみに、04年の下落時、香港H株指数は200日線から15%下方乖離したラインが下値支持線となった。今回は、そこまで調整するか分からないが、200日線から15%下方乖離ラインまでが買い時である可能性は高いだろう。
また、期間的なことを言えば、04年の場合、中国株はピークから4カ月で、米国株は8カ月で調整を完了している。今回は、直近の高値が09年11月であることを考えると、10年の7月ぐらいまでは調整局面が続く可能性もある。
中国の利上げは年央ぐらいと思われ、それを乗り越えて企業業績が注目されるのは年末ぐらいからであろう。旧正月(10年は2月14日が旧正月の元日)明けの短期反発はあるかもしれないが、本格的な上昇局面は、年末までお預けとなるかもしれない。
先進国は前回のようにはいかないだろうが、景気のよい中国では05から07年の上昇相場が今後、再現される可能性が高い。実際のところ、09年12月の小売売上高、固定資本投資は過去最高を更新し、輸出も急激に回復。08年のピークを超える勢いで、ファンダメンタルズ(基礎的条件)は絶好調だ。
10年は、来るべき業績相場へ向けての絶好の仕込み時となるだろう。
■戸松 信博(とまつ のぶひろ)グローバルリンクアドバイザーズ社長











