エコノミストマネー:回復傾向顕著な中国経済 調整なら絶好の押し目に
マーケット最前線 新興国株(エコノミストマネー2010年2月号より)
中国経済は回復傾向が顕著になってきている。小売売上高は2009年5月から11月まで連続して前年同月比15%超の成長を記録。鉱工業生産も11月は同19.2%増と2年5カ月ぶりの高い伸び率を示した。
金融危機の影響から最も懸念されていた輸出についても、11月は前年同月比1%減と、プラス成長にはわずかに及ばなかったものの、12月はプラス成長に転じる可能性が極めて高い。また、11月の消費者物価指数は前年同月比プラス0.6%と10カ月ぶりのプラス転換となり、デフレから脱却している。
一方で、このような景気回復を示す強い数字が出ているだけに、金融政策についてはそろそろ緩和から引き締めへの転換点に近づいていると言ってよいだろう。緩和状態を続けると、将来、行き過ぎたインフレを招きかねないからだ。
実際、引き締め政策が発表され始めている。代表的なところでは、行き過ぎた不動産価格の上昇を抑えるため、中国政府は不動産開発会社に土地を売却する際、購入代金の50%以上の頭金を支払うとともに売買から1年以内に残りの代金を支払うことを条件とする規制強化方針を発表。また、09年は銀行の新規融資額が9兆5000億元(約129兆円)に達する見込みだが、10年の新規融資額は約26%減の7兆元(約95兆円)前後に設定される見通しで、新規融資額の伸び率は大幅に抑え込まれる見込みである。
これらの金融引き締めへの転換懸念から、香港H株指数は12月に入って調整局面に入っている。もっとも、引き締めに移行するということは景気が良いことの裏返しであり、金融緩和状態が景気改善に伴い徐々に引き締め状態に入っていくことは、景気サイクルの常である。
◇旧正月前まで調整か
金融緩和から引き締めに移ると、株価はいったんショックで下がる。しかし、現在の中国のように景気が強い状態であれば、いずれ引き締めを押しのけて企業業績が拡大し、今度は業績を評価して株価が上昇する「業績相場」へと移行していくことになる。 そして、今回のような調整局面では、株価は長期支持線である200日移動平均線前後まで下がることが多い。タイミング的なことを予想するのは難しいが、10年2月の旧正月(10年は2月14日が旧正月の元日)あたりまで調整が続く可能性がある。
香港市場の習性として、旧正月の前まで調整することが多く、その後、旧正月明けから6月までは上昇することが多い。旧正月前に下がるのは、華僑投資家が中国の年度末である旧正月の長期連休前に資産を一度、現金化するためだ。また、旧正月明けから6月に向けて上昇するのは、前年の決算が発表されて配当が出るため、配当取りの資金がマーケットに入ってくるためだ。
加えて、09年第1四半期の数字がリーマン・ショック直後で悪すぎたため、10年第1四半期の企業業績や経済統計は前年比ベースで非常に大きな伸びとなるだろう。当然ながら、これらの数字は株価を後押しすることになる。このように考えると、もしも200日移動平均線まで株価が下がるようなことがあれば、そこは絶好の押し目と言うことができるだろう。
■戸松 信博(とまつ のぶひろ) グローバルリンクアドバイザーズ社長
中国経済は回復傾向が顕著になってきている。小売売上高は2009年5月から11月まで連続して前年同月比15%超の成長を記録。鉱工業生産も11月は同19.2%増と2年5カ月ぶりの高い伸び率を示した。
金融危機の影響から最も懸念されていた輸出についても、11月は前年同月比1%減と、プラス成長にはわずかに及ばなかったものの、12月はプラス成長に転じる可能性が極めて高い。また、11月の消費者物価指数は前年同月比プラス0.6%と10カ月ぶりのプラス転換となり、デフレから脱却している。
一方で、このような景気回復を示す強い数字が出ているだけに、金融政策についてはそろそろ緩和から引き締めへの転換点に近づいていると言ってよいだろう。緩和状態を続けると、将来、行き過ぎたインフレを招きかねないからだ。
実際、引き締め政策が発表され始めている。代表的なところでは、行き過ぎた不動産価格の上昇を抑えるため、中国政府は不動産開発会社に土地を売却する際、購入代金の50%以上の頭金を支払うとともに売買から1年以内に残りの代金を支払うことを条件とする規制強化方針を発表。また、09年は銀行の新規融資額が9兆5000億元(約129兆円)に達する見込みだが、10年の新規融資額は約26%減の7兆元(約95兆円)前後に設定される見通しで、新規融資額の伸び率は大幅に抑え込まれる見込みである。
これらの金融引き締めへの転換懸念から、香港H株指数は12月に入って調整局面に入っている。もっとも、引き締めに移行するということは景気が良いことの裏返しであり、金融緩和状態が景気改善に伴い徐々に引き締め状態に入っていくことは、景気サイクルの常である。
◇旧正月前まで調整か
金融緩和から引き締めに移ると、株価はいったんショックで下がる。しかし、現在の中国のように景気が強い状態であれば、いずれ引き締めを押しのけて企業業績が拡大し、今度は業績を評価して株価が上昇する「業績相場」へと移行していくことになる。 そして、今回のような調整局面では、株価は長期支持線である200日移動平均線前後まで下がることが多い。タイミング的なことを予想するのは難しいが、10年2月の旧正月(10年は2月14日が旧正月の元日)あたりまで調整が続く可能性がある。
香港市場の習性として、旧正月の前まで調整することが多く、その後、旧正月明けから6月までは上昇することが多い。旧正月前に下がるのは、華僑投資家が中国の年度末である旧正月の長期連休前に資産を一度、現金化するためだ。また、旧正月明けから6月に向けて上昇するのは、前年の決算が発表されて配当が出るため、配当取りの資金がマーケットに入ってくるためだ。
加えて、09年第1四半期の数字がリーマン・ショック直後で悪すぎたため、10年第1四半期の企業業績や経済統計は前年比ベースで非常に大きな伸びとなるだろう。当然ながら、これらの数字は株価を後押しすることになる。このように考えると、もしも200日移動平均線まで株価が下がるようなことがあれば、そこは絶好の押し目と言うことができるだろう。
■戸松 信博(とまつ のぶひろ) グローバルリンクアドバイザーズ社長











